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トリツカレ男@銀河劇場

アトリエ・ダンカン プロデュース
音楽劇 トリツカレ男
@天王洲 銀河劇場


普段自ら演劇をチェックすることはないし、カミさんに連れられて何度か見た程度。
そんな俺が1人で観劇に来た理由は勿論郁ちゃんの役者っぷりと歌を聞くため。
天王洲アイルの劇場には一回来たような覚えもあるんだが、この劇場では
なかったような、そうだったような。
多分だいぶ招待を出してて、プロモータ用の受付とか出てたし、2階は最前列
を除いてガラガラ。
客層はさすがに文科系チックな女性中心です。
おじさんおばさんもいたけど、平均は20代中盤〜30代前半だと思う。


ちょっとケチって一番いい席は止めたンだけど、結果的には2階席から全体が
見れて正解でした。
オケもそうだけど、あんまり前だと全体見えないもん。
でも、右横に座った男がずうずうしく肘掛占領して当たってくるし、後半寝息が
うるさいし、もう一つ向こうの女もなんか食ってんのかしてやたら鞄開けたりしてて
嫌だった。
だから指定は好きじゃない。
2階席空いてたから移動すれば良かった。


話的には普通に面白いけど、なんかすっきりしないようなスウィーツな内容。
郁ちゃんの役所は外国から来た少女役ということで、拙い演技でも問題ない。
なので女優原田郁子としての本領についてはわからず。
わからんが、実年齢を無視した少女役がハマってて相当カワイかった。
多分嫌いな人は徹底的に嫌いなぶりぶりの仕草、ってあれは普段と一緒か。
他の役者さんはさすがに本業、ビトウいさおが一回噛みかけた、ように感じた
他は素人演劇にありがちな冷や冷やする感じもなく安心して見れました。
特筆すべきはダンス部分で、舞台変換までも現代風のダンスに組み入れてて、
これはすごい完成度だなあ、と思った。
踊りながら歌いながら、人が複雑に交錯しながら机や椅子を舞台に持ってきたり、
逆に舞台から外へ押し出していったり。
後舞台右手にずっと男性ミュージシャンが生音で効果音を出したり、一部の曲の
演奏をしたり、あの人が、青柳拓次なんですね)。
ギターにシンセにシンバルその他、かなりマルチな演奏でした。
そして舞台左にはグランドピアノで、これは勿論郁ちゃんがたまに弾いたり歌ったり。
これもいいアイディアだし、全音を生でやればもっといいのにと思った。


舞台は1部65分、15分休憩後、第2部60分。
15分休憩の間にビールでも買おうと思ってオシャレ売店行ったら、登場人物名の
カクテルとか飲みもの売ってました。
ご丁寧にメニューに解説とか付いてるの。
うっへ、俺こういうのかゆくてダメだ。
なるよしのホール系ライブでもよくあるよねこういうの。
そういうのちっちゃいグラスで飲みながら、サンドイッチとか食いながら談笑する
カップルや女性グループが大勢を占めていて俺は非常に気詰まりでした。
これだけはどうしても馴染めんなあ。
そういう意味では劇中で何度かウケを狙ったと思われるシーンがあったんだけど、
これがまたまったく笑えない。
でも、客席では笑いが起こるわけで、まあそういうことです。


で、結局並んでる間にブザーが鳴ってビールは飲まずに席に戻ったんだが、
(実は5分前の音だったので飲めたんだけど、係員すぐに言ってくれないんだもん)
第2部の幕が上がると郁子ソロから「青い闇をまっさかさまに〜」弾き語り。
途中から舞台右手のマルチ奏者も伴奏しつつ、1曲フルでやりました。
今年の1月にAXで初めて生聴きしたわけだけど、これはほんと素晴らしい。
最後の「いのちといのちがぶつかる、おとを聞いたの。」のウィスパーの後、再度
「おとをきいたの。」が胸にガツンと来ます。


更に演劇の最後のシーンはクラムボン「Id」。
結末としてはあんまり説得力もないありがちなハッピーエンドのラストだが、
郁ちゃんピアノ弾き語りの曲とはとても合う。
このまま最後まで演奏して欲しかったんだけど、演劇構成上郁ちゃんは舞台
中央で恋人となった俳優さんとゆっくりくるくるまわったりせねばならず、会場の
音響から流れる音をバックに出演者全員で踊りながらイヤホンマイクで合唱。
生演奏じゃなくなった瞬間から一気に「しょぼっ」って思った。
そもそも郁ちゃんの声が聞こえていたかも怪しい。
上でも書いたけど、せっかく生演奏を効果的に使ってありきたりなミュージカルと
違う空気を出せているのに、安易に音響設備に頼っちゃうのは勿体無いとオモタ。


そんな感じで印象に残ったとこは多くあり、話しの内容的ににイマイチ釈然としない
部分はありつつ予想外に興味深く退屈せずに2時間20分を過ごせました。
その後出演者によるトークライブというのがあって、一応郁ちゃん見なきゃと
思ったら、出ないのね...
そこで帰れば良かったんだけど、そこからしばらくグダグダトークを聞かされて、
無駄な時間を過ごしてしまった。
この日がアフターライブの日だったら良かったのに。
本当はアフターライブのある日にも行きたかったんだけど、2回見る程深い内容の
話しではないし、木曜は夜会社に戻らないといけなくなったので、諦めかな。
まあ郁ちゃんソロはどっかでちゃんとしたライブを見に行こう。