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フィガロの結婚@東京文化会館

小澤征爾音楽塾 オペラ・プロジェクト??
モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」(オペラ・ドラマティコ形式上演)
@上野 東京文化会館 大ホール


演目:モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」(オペラ・ドラマティコ形式上演)
指揮:小澤征爾、テッド・テイラー(2人による振り分け)
チェンバロ:テッド・テイラー


出演
アルマヴィーヴァ伯爵:クレッグ・ヴァーム
伯爵夫人:シャーン・デイヴィース
スザンナ:デヴン・ガスリー
フィガロ:ウェイン・ティグス
ケルビーノ:リディア・トイシャー
マルチェリーナ:牧野真由美
バルトロ:デニス・ビシュニャ
ジーリオ:高柳 圭
ドン・クルーツィオ:升島唯博
バルバリーナ:三宅理恵
アントニオ:町 英和


管弦楽小澤征爾音楽塾オーケストラ
合唱:小澤征爾音楽塾合唱団


※オペラ・ドラマティコとは
「オペラ・ドラマティコ」とは、コンサートホールにおけるオペラの演奏会形式上演でも
セミステージ上演でもなく、グランドオペラが上演可能な劇場で大掛かりなセットに
頼るのではなく、凝縮された表現方法をあえて追求して小澤征爾音楽塾独自の
オリジナルステージを作り上げようとする新たな挑戦。オーケストラと舞台を
一体化させることによって、音楽とドラマが凝縮。観客も集中して舞台を楽しむことができる。


だそうです。


2幕と3幕の前に20分ずつ休憩を挟んでの全4幕、18時半開演で長いカーテンコールが
すべて終わったのが22時半でした。
で、結論から言うと、とても良かった。
初めてオペラ観て、これはすばらしい、って思った。
いや、内容は相変わらずどうでもいいというかほんとくだらないんだけどね。
何が良かったかと言われると、このくだらないけど愛すべき内容なのか、
モーツァルトの曲なのか、演者のスキルなのか、小澤征爾のコンダクトなのか
彼にプロデュースされたオケと合唱団の力なのか、ドラマティコ形式のなせる業なのか、
はたまたその総合なのか。
が、頭にすごく残ったのはやっぱモーツァルト天才だなってのと
小澤征爾いいなってことかね。


序曲から軽やかで親しみやすい楽曲がすんなり入ってくるわけだけど、
特に幕中の歌曲のメロディが冴えてて、3幕の伯爵夫人の歌とか音源探したいと思った。
真剣に向き合って聞くと肩透かしになっちゃうのが俺的モーツァルト評なんだけど、
少し注視を外した形で流れ込んでくる時には抜群の感銘を受けちゃうな。
前々から思っていたことではあるけどもう少し肩の力を抜いてモーツァルト
いろいろ聞き直してみたいなと思いました。


一方オケの演奏は劇伴として最大の効果を上げるため、なのか全体に控えめな感じ。
若い人中心のオケで女性が7割ぐらいのように観えました。
そういう構成の妙みたいなとこもあるのかな。
小澤さんは半分ぐらいを指揮していたんだけど、丁寧に抑制された指揮ながら
情熱はしっかり燃えている、そんな印象。
長時間の演奏の果て、変わらず抑制された状態ながらクライマックスでしっかりと
盛り上げるとこはカタルシスをもたらしてくれる理想的なオケでしたね、すごい。


今回A席16Kで観たんですが、他の席もほぼ満席、おハイソなおほほ星人が一杯。
金持ちの道楽極まりないっていうのはあるね。
あれに子供2人連れてくるってどんだけ金余ってんだ、っていう。
あの内容あんまり子供に見せるもんでもねえだろう、っていう。
まあしかし、本気で素晴らしかったです。
1階席前方は2回目のカーテンコールぐらいからスタンディングオベーション
なっていて、気持ちわかるわーって思った。
オケが履けてからさらに2回ぐらい、オケ全員も元配置に戻ってのカーテンコール。
10分強、惜しみない拍手を送りました。