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カプースチン追悼コンサート@浜離宮ホール

カプースチン追悼コンサート
~Dedicated to You ニコライ・カプースチン・フォーエバー~
@浜離宮朝日ホール


浜離宮ホール、7年ぶりに来ました。
前回はさむらごうち作品の演奏を観に来たのね、今は昔。


・紀平凱成
「8つの演奏会用エチュード」より5番、「24の前奏曲」より11番、24番
名前は、かいる、と読むそうです。
おしゃれだけど変な感じ、3歳か5歳ぐらいで既にカプースチンを弾いてたという天才。
才能があるから変でも許される、ってのをわかってやってるようななんか
鼻につくような立ち居振る舞いです。
まあ、ピアノの腕はあるんでしょうけど。
俺、心が汚い。


・角野隼斗
「8つの演奏会用エチュード」より1番、3番、7番
一方こちらもおしゃれですがまともそう。
なんと開成からの東大、東大大学院卒だそうで、すげー。
この中ではとてもポピュラーなエチュード1番に即興演奏をつけてさすがという演奏。
そしてカプースチン曲のメロディの美しさ、それが浮かび上がるよう。


・The Rev Saxophone Quartet
24の前奏曲」より1番、9番、12番、17番。
司会の上野耕平参加のサックスカルテット。
ピアノ用の曲から音を抜いて4本の種類の違うサックスで曲を再現という
頭狂ったことをやってます。
カプースチン独特のジャズ的リズム感を再現するためにバリサクの人がずっと
吹きっぱなしで低い音をリズム的に出し続けていて大変だなって思いました。


piaNA
「連弾のためのカプリッチョ op.146」
「2台ピアノのためのディジー・ガレスピーの"マンテカ"によるパラフレーズ op.129」
アラサーぐらいと思われるが若々しい女性2人組。
カプースチン好きすぎてロシアに押しかけて曲作ってもらったっていう、
若い女性のこういう行動力ってアーティスト向きだよね、あふりとかdeerhoof
さとみさんとか、最近だとスーパーオーガニズムのオロノちゃんとかね。
(オロノちゃんがちゃん付けされるのを嫌がってるのは知ってます)
今回その作ってもらった連弾曲ともう一曲2台のピアノのための曲。
その後者がびっくり、ピアノ一台しかないのでそれを2人で曲芸みたいにするすると
身体を交差させたりしながら一緒に弾くっていう、当たり前だけどちゃんと
それができるように練習していて観れてわーすげーって小並感になりました。
やっぱこういう挑戦みたいな要素もあると面白いよね、さすがと思いました。
拍手も一際大きかった。


・大塚茜(FL)、金子鈴太郎(Vc)、川上昌裕(Pf)
「フルートのチェロとピアノのための三重奏曲」Op.86 第2、3楽章
ナビゲーターとして司会とイベントを進めていたカプースチン研究の世界的な
第一人者という川上先生がピアノ、
フルート女性とチェロ男性の3人での演奏。
川上先生がMC時間に言ってたように、ピアノ曲だけじゃなく、クラシカルな
編成の曲にもカプースチンの独特の感性が表れている、というのはその通りだな
と思う演奏でした。


クインテット・ディ・ピアノフォルテ・ラ・スペランツァ
ピアノ五重奏曲
ピアノ高橋のぞみさんとN響の弦楽メンバー4人による五重奏曲。
さっきの演奏と同様の印象。


・坂口弦太郎(Vn)、川上昌裕(Pf)
「ヴァイオリンソナタ」op.70 第1楽章。
最後に川上先生とさっき5重奏ではビオラを演奏してた坂口さんのヴァイオリンで
ヴァイオリンソナタの演奏。
印象的なピアノからの入り、気持ちよくなっていったところで一旦中断。
ヴァイオリンの調弦がおかしくなったのか、坂口さんが
「これが生演奏の醍醐味で」、と良くあるこういう時の口上で場を和ませて
最初からの再開、ここで拍手満開。
一旦中断のせいで眠くもならず緊張感もって聞けました。


休憩なし1時間半、眠くなる時間も結構あったけど音楽の奥深さと、
まだまだ全然クラシックをわかっていない俺にとっての刺激的な部分で
非常に面白いコンサートでした。
惜しむらくはカプースチンが存命の時にその音を聴けなかったことだけど、
今となってはこのタイミングで知れたことさえも一つの運命だったのだなと思える。


どうでもいいけど最後に全出演者がステージに出てきたんですけど、
かいる君が高橋のぞみさんと手を繋いで登場、なんなんだアレは。
高橋さんも断わり切れなかったのかもしれないけどあまりよろしくないのでは。
なんつうか後で知ったんだけど発達障害がありながら、とか言うなら猶更
そういうところだけおかしなとここれ見よがしに見せるのぐらいは気をつけないと
反感買うんじゃないかな、他の発達障害の人が。