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罪と罰@紅葉坂ホール

地点「罪と罰」神奈川公演
@紅葉坂 神奈川県立青少年センター 紅葉坂ホール


この劇団がいろいろ悪い意味で話題になっているのとか、どういう演出なのかとか
全く知らずにカミさんが「罪と罰」の演劇見たいというので来てみました。
カミさんは学生時代ロシア文学専攻だった(チェーホフメインだったようだが
原卓也先生の授業を受けていたらしい)というのと俺もこの小説は浪人時代に
世界が転換するぐらいの衝撃を受けたので。
史学科志望を哲学科にしようと思ったのもこの変の影響。


演者は10人ぐらい、主要人物が結構小説の訳そのままのセリフを使ってやりとり。
ものすごく印象的なのが、しょっぱなから最後までずっとつづく、執拗な
「あっ!」という発音。
相手に指を指し突き付けながら定期的に「あっ!」っと声を上げる、
そのテンポに合わせてセリフが進行する。
それに対して各演者事に決め台詞のような言葉が混じる。
ロージャは「知ってます!」、ソーニャは「あした!」みたいな。
いろんな途中の私情をはさんだいざこざシーンを織り交ぜて、最後は苦悩する
ロージャが婆さんを殺すに至る心の中をぶちまけるクライマックスへ、
という流れに四半世紀前の感動というか激しく揺れ動く感情が蘇りました。
途中ちょっと別のところで意外に印象に残ったのが、スヴィドリガイロフが
ドーニャを追い詰めるシーン。
決死のドーニャにピストルを撃たせ、最後は諦めてドーニャを逃がしたシーンに、
当時はなかったスヴィドリガイロフへの同情が芽生えた。
いやー2時間ものすごいテンションの連続、すっげー疲れたけどとても面白かった。
演劇ってすごい、そしてドストエフスキーはすごい。


ってのはおいといて、これ原作知らない人がどこまで理解できるのか相当謎。
説明らしい説明ほとんどなしで原作から抜き出した登場人物のセリフだけやから。