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生きる

寿ドヤ街 生きる
監督/編集:渡辺孝明
1981年


横浜キネマ倶楽部さんがかながわ労働プラザで上映会を行う、
というのをカミさんが情報得て行ってみる?というので。
寿町のこと、気になっているけどあまり知らないのだね。
会場の3階多目的ホールは1000人以上入りそうな大きなホール。
そこに椅子を並べての上映会、客層はやっぱ上の方がほとんどね。
それでもかなり盛況でした、俺目測だと500ぐらいは入ってたと思う。
500集めるのがいかにすごいか知ってるのでこれは驚き。


さて、内容はドヤ街の酒屋?で何言ってるかわかんないけど
陽気にしゃべってるおっさんと周りの人のやりとりから始まる。
そのおっさんは酒飲んで死んで、友達が焼き場で焼香をあげてるところが
続けて流される。
白黒、言葉も録音で聞き取りにくい。
基本このスタイルで字幕ついてないとこは半分ぐらい何言ってるかわからん。
が、これでいいのだと思う。
内容そのものよりもここにいる人たちの表情や命の発露を記録することに意味がある。
可哀そうという目線でなく、それぞれの人達がどんな形でここに来たのか。
そしてどんな仕事をしているのか、どんなふうに生きているのか。
景気のいいころは多分それなりに活気があったんだろう。
金も回って、だから飲み屋も一杯、バクチやクスリ、女、そんな中で
これが自分達の生きる道だと信じてか信じてないかは知らないけど、
とにかくそこで日雇いの仕事で働いて飯くって生きていた姿がある。
細く長くじゃなくて太く短く生きたいとかカッコつけて言ったりするけど
それって傲慢だなって思いました。
それぞれの人生、仕事がなけりゃ、病気になりゃ、仕事あっても怪我すりゃ
それで誰も助けてくれない、っていう世界。
最後多分当時の日本のちょっとヒッピー的なバンドが寿町の公園で
ライブしているシーンになる。
繰り返されるチープな音とエイサーや盆踊りっぽい掛け声に寿の住人達も
のっていく、というのが良かった、これ寿町フリーコンサートの形よね。
あれ、なくなったんだっけ、渋さやソウルフラワーが出るならまたあれば行きたい。