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兵士A

兵士A
作詞・作曲・演奏:七尾旅人
サックス・クラリネット梅津和時
舞台映像:ひらのりょう
監督:河合宏樹
2016


前日の予約ではまだ半分以上席空いてたのについてみたら
当日の人で一杯、ほぼ満席でした。
もうちょっとドキュメント的なのを想像していたんだけど、
完全にライブの映像のみ、でっかい画面でライブDVDみてる、ってな感じ。
とにかくね、長かった、3時間だぜ、あれライブ行った人大変やったやろな。
そして一曲一曲が長い、執拗な繰り返し、無駄に過剰なノイズ演出含めて
感動する前に長くてだれてしまうような、そういうとこあったね。
中盤ぐらいで軍服姿の梅津さんが登場、いどみかかるような旅人との
サックス対ヴォイスのバトル、ここはクライマックスだったな。
このあとずっと梅津さんサックスをうまく合わせて最後までいくんだけど
なんとあれ打ち合わせリハなし一発インプロらしく感服ですわ。
最初のほうの「ひかり」と終盤の「飛行機」は以前に聞いてた、あとは
どうかよくわからんな、曲なのかどうなのか、決めているのかアドリブなのか
そういうところを極限まで境界線とっぱらって、ある意味エクストリームと言うか。
さっきも書いたようにいろんなとこで過剰すぎて感動が薄れてしまう。
ただし爆発力というかココ一というところの迫真の熱情、妥協のない
パフォーマンスには敬意を表したいし、これぞ表現者だって思える。
簡単にいうと天才ですよ。
テーマに上げられているのはとても政治的、リベラルな流れではあるんだけど
ライブとその中の曲、歌詞をたどる中では偏った思想を感じさせない普遍的な、
個々人の感情的な部分に問いかけ委ねる物語の流れになっているところが
奥が深いなと思いました。
政治アレルギーやネトウヨにも一見は届かせられるような感じ。
まあその前に敬遠するだろうけどね、奴らは。
ネトウヨはともかく政治アレルギーはほんと困る、子供かよっていう。
政治性のない表現活動なんてねーよ。
ちょっと最後話それたけど、感想としては旅人よくやった、って感じ。
彼のことは人間として信頼する。
映像の中でライブが終了、旅人がうなだれるように頭を下げて礼を
した時、そこに本人がいるわけじゃないのに拍手をしそうになってしまった。